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2021年9月18日土曜日

[積読立読斜読] 『ヨルガオ殺人事件』(アンソニー・ホロヴィッツ著、創元推理文庫、2021年)

 



大推薦!!


イギリスのミステリー作家、アンソニー・ホロヴィッツの新作です。ふだんミステリーを読まないので新刊をチェックしておらず、昨日寄ったゆめタウン広島の紀伊国屋書店で見つけて購入した次第です。巻を置く能わず。一気に読了しました。


メガヒットとなった『カササギ殺人事件』の主役をつとめたもと書籍編集者のスーザン・ライランドを再び登場させ、作者の得意とそる作中作(これ自体が独立したミステリーとして読めます)が、殺人事件の謎を紐解くヒントになっているという、ミステリー好きには一粒で二度おいしい佳作に仕上がっています。


例によってイギリスの風景描写がすばらしく、映像化が待たれます。翻訳者の解説がよくまとまっていましたので、引用します。大推薦。



P423

翻訳者解説より


『ヨルガオ殺人事件』の部隊は、『カササギ殺人事件』から二年後の2016年に設定されている。そう、時計の針は進んでいる。主人公は引き続き、スーザン・ライランドが一人称で務めている。彼女は編集者を辞めて、ロンドンを去り、ギリシャ人のパートナー、アンドレアスと共に、クレタ島でホテルを経営している。だがその経営実態は青息吐息だった。そんな中、裕福なトレハーン夫妻が、スーザンをタズけてくる。トレハーン一家が経営する、イングランドのサフォーク州にある高級ホテル《ブランロウ・ホール》で、8年前に殺人事件が起きた。犯人は、既に収監中だが、最近、夫婦の娘サシリーが、アラン・コンウェイの旧作―《アティカス・ピュント》シリーズの第3作『愚行の代償』を読んで、8年前の事件について、何かに気付いたことを示唆した。そして直後に、彼女は失踪する。トレハーン夫妻は、『愚行の代償』の編集者だったスーザンに、セシリーが何に気付いたのかを調べてほしいと言うのだった。


高額の報酬に釣られたスーザンは、トレハーン夫妻の依頼を引き受けて《ブランロウ・ホール》に向かう。コンウェイは、『愚行の代償』を。同ホテルの関係者をモデルに描き、殺人事件についても何かをつかんでいたようだ。8年前の殺人事件と、コンウェイの足跡とを、スーザンは探る。その後で、彼女は、いよいよ作中作『愚行の代償』の再読に取り掛かるのである。


作中作『愚行の代償』は、時代が1953年に設定されている。一世を風靡さいた女優メリッサ・ジェイムズが、田舎に構えた邸宅で殺される。その事件が発生した後に、アティカス・ピュントが登場する。まずはジャブとばかりに、全くの別事件であるダイヤモンド紛失事件が独立した短編のように語られた後、ピュントはメリッサ殺しの真相解明を依頼される。





内容紹介

『カササギ殺人事件』から2年。クレタ島で暮らす元編集者のわたしを、英国から裕福な夫妻が訪ねてくる。彼らのホテルで8年前に起きた殺人の真相を、ある本で見つけた──そう連絡してきた直後に夫妻の娘が失踪したという。その本とは、わたしが編集した名探偵〈アティカス・ピュント〉シリーズの一冊だった……。『カササギ殺人事件』の続編にして、至高の犯人当てミステリ!


内容紹介

“すぐ目の前にあって──わたしをまっすぐ見つめかえしていたの”名探偵〈アティカス・ピュント〉シリーズの『愚行の代償』を読んだ女性は、ある殺人事件の真相についてそう言い残して姿を消した。その作品の舞台は1953年の英国の村、事件は一世を風靡(ふうび)した女優の殺人。ピースが次々と組み合わさり、意外な真相が浮かびあがる──そんなミステリの醍醐味を二回も味わえる傑作!


アンソニー・ホロヴィッツ

イギリスを代表する作家。ヤングアダルト作品〈女王陛下の少年スパイ! アレックス〉シリーズがベストセラーに。また、人気テレビドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の〈シャーロック・ホームズ〉シリーズの新作長編『シャーロック・ホームズ絹の家』などを手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』では『このミステリーがすごい!』『本屋大賞〈翻訳小説部門〉』の1位に選ばれるなど、史上初の7冠を達成。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ『メインテーマは殺人』『その裁きは死』でも、年末ミステリランキングを完全制覇した。


http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488265120

東京創元社のサイトより


2019年2月9日土曜日

[積読立読斜読] 『カササギ殺人事件(上)(下)』(アンソニー・ホロヴィッツ著、山田蘭訳、創元推理文庫、2018年9月)





当方は熱心なミステリ好きではないので『カササギ殺人事件』がどうも売れているようだという感じはしておりましたが、2018年の代表的なミステリ小説ランキングで軒並み海外部門1位をとり、かつお堅い朝日新聞に書評が載った(2019年1月12日付)ことを機会に、読んでみました。ミステリを読むのは久しぶりです。ちなみに代表的ランキングの四冠は初めてだそうです。

『ミステリマガジン』《ミステリが読みたい!》(早川書房)
『週刊文春ミステリーベスト10 』(文藝春秋)
『本格ミステリベスト10』(本格ミステリ作家クラブ選)
『このミステリーがすごい』(宝島社『別冊宝島』毎年刊行)

書評・紹介文多数なので簡単に。

・作品は入れ子構造になっていて、現代のイギリスのミステリー編集者(中年独身女性)が1955年のイギリスを舞台にしたミステリー小説のゲラを読むという設定。
・上巻が1955年舞台のミステリ、下巻が現代のイギリス。
・ゲラは最終章が欠落していて結末がわからない。
・下巻で最終章を編集者が探してる過程で、ミステリ作家が疑惑の自殺をとげる。

1955年版のミステリだけでも秀作だったのでしょうが、

(1)1955年版ミステリの謎解き
(2)失われた原稿の行方
(3)現代版ミステリ作家の自殺疑惑の解明

が下巻では同時進行で進み、重層的な構造が画期的なのでしょう。かなりのキャリアのある作家で人物造形もしっかりしており自然に作中に入っていけます。再読に耐える傑作と思いますね。ぜひTVドラマ化、映画化を期待します。


以下メモ程度に。


<英語のトリヴィア>
手元の『ライトハウス英和辞典』から。

magpie:(1)かささぎ《よく鳴き、小さな光る物を拾ってきて巣に集める習性がある》
(2)[軽蔑的]おしゃべり《人》:(がらくたの)収集狂《人》


chatter:(1)ぺちゃくちゃしゃべる、(2)カササギなどがさえずる > chat

アンソニー・ホロヴィッツ(作者紹介)
イギリスを代表する作家。ヤングアダルト作品〈女王陛下の少年スパイ! アレックス〉シリーズがベストセラーになったほか、人気テレビドラマ『刑事フォイル』『バーナビー警部』の脚本を手掛ける。コナン・ドイル財団公認のシャーロック・ホームズ・シリーズの新作長編『シャーロック・ホームズ 絹の家』『モリアーティ』、イアン・フレミング財団公認の『007 逆襲のトリガー』で、翻訳ミステリ界の話題をさらった。

内容紹介(上巻)
1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに執りおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは……。その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。余命わずかな名探偵アティカス・ピュントの推理は──。アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ!

内容紹介(下巻)
名探偵アティカス・ピュントのシリーズ最新作『カササギ殺人事件』の原稿を結末部分まで読んだ編集者のわたしは、あまりのことに激怒する。ミステリを読んでいて、こんなに腹立たしいことってある? 原因を突きとめられず、さらに憤りを募らせるわたしを待っていたのは、予想もしない事態だった──。ミステリ界のトップランナーが贈る、全ミステリファンへの最高のプレゼント! 解説=川出正樹

2019年11月14日木曜日

[積読立読斜読] 『メインテーマは殺人』(アンソニー・ホロヴィッツ著、山田蘭訳、創元推理文庫、2019年)




ミステリは得意分野ではなくあまり読みません。

ですがたまには読みます。

昨年同じ著者の『カササギ殺人事件』が大評判だったので読了しました。同じ著者でまたまた好評なので手にとってみました。




昨年翻訳された同じ著者の『カササギ殺人事件』(上・下2巻)は近来まれにみる傑作のようで、年末のミステリ・ランキングもので軒並み1位を取り、なんと7冠達成だそうです。

第1位『このミステリーがすごい! 2019年版』海外編 
第1位〈週刊文春〉2019ミステリーベスト10 海外部門
第1位『2019本格ミステリ・ベスト10』海外篇
第1位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 海外篇
第1位 2019年本屋大賞〈翻訳小説部門〉
第1位 第10回翻訳ミステリー大賞
第1位 第7回翻訳ミステリー読者賞

前作は作中劇の形態をとり、上巻が古典的なミステリそのもの。下巻が現代の出版社を舞台に、上巻のミステリの行方不明の最後の1章をめぐるという入れ子構造になっていました。

本作はがらりと趣向を変え、語り手は作者アンソニー・ホロヴィッツ自身。発端はこんな感じです。

<内容紹介>(東京創元社のサイトより)
自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は絞殺された。彼女は、自分が殺されると知っていたのか? 作家のわたし、ホロヴィッツはドラマの脚本執筆で知りあった元刑事ホーソーンから、この奇妙な事件を捜査する自分を本にしないかと誘われる……。自らをワトスン役に配した、謎解きの魅力全開の犯人当てミステリ! 7冠制覇の『カササギ殺人事件』に匹敵する傑作!

ミステリー自体はアガサ・クリスティーを信奉する作者らしく極めて古典的な謎解きとなっていて、情報はすべて読者に開示されていきます。構成に一ひねりあり、いけ好かない元刑事のホーソンから事件を自分を主人公にして作品化の話を持ち掛けられ、本の構成化と、事件の解決が同時進行で進んでいきます。読者は作品として成り立つのか、また事件は解決するのか、という複合的な楽しみでどんどん読み進められるという仕掛けです。

被疑者の後を追ってロンドン中を駆け巡り、作中にシェークスピアのトリビアが散りばめられた、大英帝国の威光未だ衰えずというミステリーに仕上がっています。

いけ好かなかった元刑事ホーソンが最後は魅力的な人物に語りてホロヴィッツにも見えてきて、現代版ワトソンとホームズ誕生の瞬間でした。

早くもシリーズ化で2作目が本国では出版されており、翻訳が楽しみです。

原題は"The word is murder"ですが翻訳題名の『メインテーマは殺人』はお見事。




2025年10月13日月曜日

[積読立読斜読] 『マーブル館殺人事件』(アンソニー・ホロヴィッツ著、山田蘭訳、創元推理文庫、2025年)

ミステリーは得意ではないのですが、アンソニー・ホロヴィッツの創元推理文庫版は評判が良いので出版されれば読んでます。本屋さんに行ったら新刊が出てたので購入。
本書は上下二巻の大作。構成は入れ子構造になっていて、編集者のスーザンが人気ミステリーの続編を書く一癖ある新人作家の担当に。作中のミステリーの時代設定は1950年代で、現代のロンドンでも不可解な殺人が、という二重構造。手練れのミステリー作家、アンソニー・ホロヴィッツは人物の設定が秀逸で、作中の風景描写もよく出来ており、第一級のエンターテインメントです。







出版社のサイトより

 <著者プロフィール>

アンソニー・ホロヴィッツ 

イギリスを代表する作家。ヤングアダルト作品〈女王陛下の少年スパイ! アレックス〉シリーズがベストセラーに。また、人気テレビドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の〈シャーロック・ホームズ〉シリーズの新作長編『シャーロック・ホームズ 絹の家』などを手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』では『このミステリーがすごい!』『本屋大賞〈翻訳小説部門〉』の1位に選ばれるなど、史上初の7冠を達成。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ『メインテーマは殺人』『その裁きは死』でも、年末ミステリランキングを完全制覇した。


<内容紹介>

(上巻)

ギリシアでの生活に区切りをつけ、ロンドンに帰ってきたわたし、スーザン・ライランド。フリーランスの編集者として働いていたところ、予想だにしない仕事が舞いこんできた。若手作家が名探偵〈アティカス・ピュント〉シリーズを書き継ぐことになり、その編集を依頼されたのだ。途中までの原稿を読んだわたしは、作者が新作に自分の家族関係を反映しているのを感じる。ということはこの作品のように、現実世界でも不審な死が存在したのか? 『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』に続く傑作登場!


(下巻)

若手作家エリオット・クレイスが書き継ぐことになった〈アティカス・ピュント〉シリーズの新作『ピュント最後の事件』。編集者のわたし、スーザン・ライランドは、作品世界とエリオットの生い立ちの間に多くの類似点があるのを知る。エリオットは途中まで書かれたこの新作で何をたくらんでいるのか? 世界的な児童文学作家だった、彼の祖母の死に何かがあったのか? 『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』に続く、傑作犯人当てミステリ!解説=吉野仁

2026年9月27日日曜日

[積読立読斜読] 『命取りのエピソード』(アンソニー・ホロヴィッツ著、山田蘭訳、東京創元社文庫、2026年)

あまりミステリー好きではありませんが、アンソニー・ホロヴィッツさんの新刊。

手を変え品を変え、ミステリーの王道の殺人事件の「謎解き」の追求。

人物描写とイギリスの日常の情景の描写が秀逸です。

現在読書中。



<出版社のサイトより>

https://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488265182



内容紹介

映画版『メインテーマは殺人』の撮影現場で、ホーソーンを演じていた俳優が殺された。この刺殺事件には、関係者のそれぞれに何かしらの動機があるらしい。だが、犯人が間違いを犯したということはないだろうか。すなわち、犯人が狙っていたのは、実は本物のホーソーンだったということは──。驚異のクオリティを維持しつづける、〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊! 解説=柿沼瑛子


アンソニー・ホロヴィッツ

イギリスを代表する作家。ヤングアダルト作品〈女王陛下の少年スパイ! アレックス〉シリーズがベストセラーに。また、人気テレビドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の〈シャーロック・ホームズ〉シリーズの新作長編『シャーロック・ホームズ 絹の家』などを手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』では『このミステリーがすごい!』『本屋大賞〈翻訳小説部門〉』の1位に選ばれるなど、史上初の7冠を達成。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ『メインテーマは殺人』『その裁きは死』でも、年末ミステリランキングを完全制覇した。


山田蘭

(ヤマダラン )

英米文学翻訳家。ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』『マーブル館殺人事件』『メインテーマは殺人』『その裁きは死』『殺しへのライン』『ナイフをひねれば』『死はすぐそばに』、クリスティ『スタイルズ荘の怪事件』、ハレット『ポピーのためにできること』『アルパートンの天使たち』など訳書多数。

2024年11月5日火曜日

[積読立読斜読] 『死はすぐそばに』(アンソニー・ホロヴィッツ、山田蘭訳、創元推理文庫、2024年)

 


イギリスのミステリー、アンソニー・ホロヴィッツのシリーズ。

あまりミステリー好きではありませんが、この作者の作品だけは必ず読んでます。

本作も練りに練った構成で、全員が容疑者で、容疑者が自殺し、

真の容疑者がなぜか謎の死を遂げるという、途中で中断できない面白さ。

おかげで本日は他のことができませんでした。

ロンドン市街の情景描写がすばらしく、推薦します。





東京創元社のサイトより。


内容紹介

ロンドンはテムズ川沿いの高級住宅地で、金融業界のやり手がクロスボウの矢を喉に突き立てられて殺された。理想的な住環境を騒音やプール建設計画などで乱してきた新参者の被害者に、容疑者の住民たちは我慢を重ねてきていた。誰もが同じ動機を持つ難事件を前に、警察は探偵ホーソーンを招聘(しようへい)する──。あらゆる期待を超えつづける〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ第5弾! 解説=古山裕樹


アンソニー・ホロヴィッツ

イギリスを代表する作家。ヤングアダルト作品〈女王陛下の少年スパイ! アレックス〉シリーズがベストセラーに。また、人気テレビドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の〈シャーロック・ホームズ〉シリーズの新作長編『シャーロック・ホームズ 絹の家』などを手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』では『このミステリーがすごい!』『本屋大賞〈翻訳小説部門〉』の1位に選ばれるなど、史上初の7冠を達成。その続編の『ヨルガオ殺人事件』も絶讃を博した。また、〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ『メインテーマは殺人』『その裁きは死』でも、年末ミステリランキングを完全制覇している。


山田蘭

(ヤマダラン )

英米文学翻訳家。ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』『メインテーマは殺人』『その裁きは死』『殺しへのライン』『ナイフをひねれば』、クリスティ『スタイルズ荘の怪事件』、ハレット『ポピーのためにできること』など訳書多数。







2023年9月17日日曜日

[積読立読斜読]『ナイフをひねれば』(アンソニー・ホロヴィッツ著、山田蘭訳、創元推理文庫、2023年)


ミステリーは得意分野ではありませんが、アンソニー・ホロヴィッツの作品は構成・人物造形・風景描写とも秀逸で、「犯人さがし」の古典的なルールを踏襲しつつも、

毎回斬新なプロットで唸らせます。本作品も新聞広告で発売を知り、即本屋さんで入手。読了しました。


作者自身が語り手で、探偵役は風変りなもとロンドン警視庁の刑事・ホーソン。作者の劇中劇の上演を巡り辛辣な批評家が何者かに殺されます。なんと被疑者は作者自身。

証拠も揃っており、アリバイもなく。あまり親切そうに見えない相棒・ホーソンと一緒に犯人捜しが始まります。


いつもながらロンドンの風景描写が上手で風景が眼前に浮かぶようです。犯人探しが進むにつれ、過去の事件との関連が浮かび上がり、現代ロンドンとイギリスの現代史が交錯します。


作者自身も戯曲の作品もあるようですが、シェイクスピアをはじめとする戯曲への造詣が深く、当方は残念ながら知識がないので、深く堪能はできませんでしたが、愛好家には楽しめると思います。


一気に読了しました。


<内容紹介>

「われわれの契約は、これで終わりだ」彼が主人公のミステリを書くことに耐えかねて、わたし、作家のホロヴィッツは探偵ホーソーンにこう告げた。翌週、わたしの戯曲を酷評した劇評家の死体が発見される。凶器はなんとわたしの短剣。かくして逮捕されたわたしにはわかっていた。自分を救ってくれるのは、あの男だけだと。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作! 解説=三橋曉


<著者プロフィール>

アンソニー・ホロヴィッツ

イギリスを代表する作家。ヤングアダルト作品〈女王陛下の少年スパイ! アレックス〉シリーズがベストセラーに。また、人気テレビドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の〈シャーロック・ホームズ〉シリーズの新作長編『シャーロック・ホームズ 絹の家』などを手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』では『このミステリーがすごい!』『本屋大賞〈翻訳小説部門〉』の1位に選ばれるなど、史上初の7冠を達成。その続編の『ヨルガオ殺人事件』も絶讃を博した。また、〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ『メインテーマは殺人』『その裁きは死』でも、年末ミステリランキングを完全制覇している。

2022年10月9日日曜日

[積読立読斜読] 『殺しへのライン』(アンソニー・ホロヴィッツ著、山田蘭訳、創元推理文庫、2022年)

 



ミステリーは得意分野ではありませんが、アンソニー・ホロヴィッツの作品は全作品が評価が高く、舞台の情景描写、人物の設定、性格描写もよく書き込まれており、単なる謎解きミステリーで終わっていないところが、練達のミステリー作家の面目躍如といったところで多くの読者をひきつけているのでしょう。


私立探偵ホーソンと、作者の分身ホロヴィッツによるシリーズの第三弾の本書、舞台は小さな島で文芸フェスが行われ、そのパーティーで殺人事件が起こると言うもの。被害者は椅子に拘束されたまま殺されており、なぜか右手だけが自由に動かせる状態。登場自分物がいずれも人癖ありそうな人たちで、全員犯人でも不思議がないように思え、最後まで犯人は解りませんでした。


オルダニー島はイギリス海峡に実在する島で、避暑地だそうですが、大戦中にはドイツ軍に占領され、強制収容所が設けられた負の歴史もあるそうです。作品中の伏線にもなっています。


本書だけでも十分ミステリーを堪能できますが、ホーソンとホロヴィッツの微妙な関係が面白いので、シリーズ第一作からの読書を推薦します。



<内容紹介>

『メインテーマは殺人』の刊行まであと3ヵ月。プロモーションとして、探偵ダニエル・ホーソーンとわたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは、初めて開催される文芸フェスに参加するため、チャンネル諸島のオルダニー島を訪れた。どことなく不穏な雰囲気が漂っていたところ、文芸フェスの関係者のひとりが死体で発見される。椅子に手足をテープで固定されていたが、なぜか右手だけは自由なままで……。年末ミステリランキングを完全制覇した『メインテーマは殺人』『その裁きは死』に並ぶ、〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊!


<著者紹介>

アンソニー・ホロヴィッツ

イギリスを代表する作家。ヤングアダルト作品〈女王陛下の少年スパイ! アレックス〉シリーズがベストセラーに。また、人気テレビドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の〈シャーロック・ホームズ〉シリーズの新作長編『シャーロック・ホームズ絹の家』などを手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』では『このミステリーがすごい!』『本屋大賞〈翻訳小説部門〉』の1位に選ばれるなど、史上初の7冠を達成。その続編の『ヨルガオ殺人事件』も絶讃を博した。また、〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ『メインテーマは殺人』『その裁きは死』でも、年末ミステリランキングを完全制覇している。

http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488265137

東京創元社のサイトより

2019年2月4日月曜日

[惹句どんどん] アンソニー・ホロヴィッツ(ミステリー作家)



本が誰かの人生を変えるとしたら、
それは頭の上に落ちてきたときだけだ。



痛快無比。2018年の日本国内ミステリー賞四冠に輝く『カササギ殺人事件』遅ればせながら読了。本の内容の紹介は別途。