2020年7月24日金曜日

[積読立読斜読] 『ペンギンクラッシクスのデザイン』より Penguin Plays


ペンギン・ブックスの表紙デザインの紹介。

本日は戯曲集のうち、アーサー・ミラーの表紙デザインです。

戯曲中の象徴的なものをアイコンにしてあると思います。

シェイクスピアの国なので、戯曲のステイタスが高いのでしょう。








[通読立読斜読] 『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』(坂井豊貴著、岩波新書、2015年)第2章 代替案を盛り込む

スローリーディング中の岩波新書『多数決を疑う』。

本日は第2章を読みました。

以下当方の読書メモです。

選挙などで社会の民意を反映する投票方法には「多数決」以外にもたくさんあり、それぞれに短所があるということが良く分かります。




第2章 代替案を盛り込む

第2章はフランス革命の途中の恐怖政治で処刑された「最後の啓蒙主義的知識人」と呼ばれるフランスのアカデミシャン、コンドルセの「集約ルール研究」の紹介です。


コンドルセ  1743‐94 Marie Jean Antoine Nicolas de Caritat,Marquis de Condorcet
フランスの啓蒙思想家,数学者,政治家。ピカルディ地方に軍人の息子として生まれ,パリのコレージュ・ド・ナバルで数学を専攻,《積分論》(1765)など早くから数学の業績をあげた。1769年にはアカデミー・デ・シアンスに迎えられ,ダランベール,ボルテール,チュルゴらと親交を結び,《百科全書》に経済学の項目を執筆した。82年アカデミー・フランセーズに入会,《ボルテール全集》の編集をするなど18世紀思想家として活躍していたが,革命が勃発すると革命に共鳴し,〈1789年のクラブ〉の会員となる一方,パリ市議会の議員に当選。さらに91年9月には立法議会議員に選出され,公教育委員会に所属した。92年4月,〈公教育の総組織に関する報告と布告の草案〉を作成している。ついで立法議会解散後,国民公会にも議員として選出され,今度は憲法委員会に所属し,93年のジロンド憲法の草案作成にたずさわった。しかし同年6月2日に国民公会からジロンド派と共に追放されることは免れたものの,のちにジロンド派との関係を疑われて,ロベスピエールやシャボなどから批判され,10月ジロンド派といっしょに告発をうけた。逃亡したが,94年春,パリ近郊オー・ド・セーヌ県のクラマールに潜伏中に逮捕され,94年3月29日,獄中で服毒自殺した。コンドルセの主著は,逃亡中に執筆され,彼の死後95年に公刊された《人間精神進歩の歴史的素描》で,これは歴史を人類の進歩によりあとづけ,フランス革命をその人類進歩の最高の到達点としたものであり,これには革命で勝利した自由主義ブルジョアジーの楽観的歴史観,彼らの歓喜と自信があらわされている。⇒フランス革命         小井 高志
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第1章で紹介されたボルダ論文を解説して評価するものの、ボルダルールを含むスコアリングルールを批判した。

「図表2-1」ではスコアリングルールだとYが選ばれる。
[写真]

他のどの選択肢に対してもペアごとの多数決で勝つ選択肢の「ペア勝者」の規準で選ぶと、Xが選ばれる。

コンドルセは「多数側の意思」を反映した集約ルールとして「ペア勝者規準」を推した。

パリの北側にはボルダ、コンドルセの名を冠した通りがある。フランスでは歴史上の偉人として評価されている。

[写真]


ボルダ、コンドルセ、の共通した見解。
選択肢が3つ以上の場合は、多数決では票の割れが起きてしまい、多数側の判断が反映されない。(選択肢が2つの場合は多数決でも票が割れない)。

コンドルセの発想の瑕疵(コンドルセのパラドックス(逆理))
[写真]

選択肢が3つの場合のモデル、全体に順位をつける
ペアごとに多数決するとモデルでは全体の順序が堂々巡りをするサイクル(循環)が発生する

選択肢が3つまでなら、ペア同士の多数決で僅差のケースを「正しい可能性が低い」として除外すると全体の順序が確立する「コンドルセの方法」

選択肢が4つ以上になると機能しない

コンドルセの集約ルールが再び注目を浴びる
1970年、ミシガン大学のペイトン・ヤング
「最尤法(さいゆうほう)」という統計的手法を用いてデータから選択肢全体への順序を導こうとしている、と説明


[写真]図2-3

さまざまな集約ルール  
5つのルールの結果がすべて違う「マルケヴィッチの反例」

①多数決 Xの勝利
②ボルダルール Wの勝利
③コンドルセ・ヤングの最尤法 Vの勝利
④決戦投票付多数決 Yの勝利
⑤繰り返し再開消去ルール Zの勝利


ペア勝者規準「ペア勝者が1位になる」
ペア敗者規準「ペア敗者が2位から最下位のどれかになる」

著者の改良
ペア勝者弱規準「ペア勝者が最下位にならない」

他の方法は「ペア勝者弱規準」を満たさないが、ボルダルール、コンドルセ・ヤングの最尤法

ボルダルールが有権者の理解を得やすい

棄権のパラドックス:棄権した人が、結果を自分に都合よく操作できる場合
集約ルールの一つである「チャレンジ型多数決」は棄権防止性を満たさない




P60
1つの選択肢を決める投票の例には、小選挙区制のもとでの国会議員選挙や、自治体の長の選挙などがある。それらにおいてはボルダルールを使うのが良い。これは国会で公職選挙法を改正すれば可能である。

                                           



[積読立読斜読] 『コンビニ人間』(村田沙耶香著、文春文庫、2020年)



旧刊です。

書店の文庫コーナーで平積みで帯の「36か国・地域で翻訳決定 累計130万部突破」につられて購入。

作者の投影と思しき主人公はコンビニのバイト歴18年の36歳未婚女性。幼い頃から適応障害があり自分の生き場所がコンビニしかないおそらく処女の魅力のない女性です。古くからある反体制小説『蟹工船』のような闘う敵が判然とするのではなく、確実に成熟した資本主義社会の末端で搾取される労働者でありながら、自ら自分が生きる世界はコンビニの中でしかなく、かなり居心地がよい、と思える無自覚な主人公は、その存在自体が奇態ではあります。

小説の半ばでもう一人の社会不適格者の男性とかかわりを持ち奇妙な共同生活が始まりますが、自分の社会だと思っていたコンビニでも周辺からは奇異な存在と思われていたことがわかり退職してしまいます。(最終的には再度コンビニの世界に戻っていきますが)。

コンビニをディストピアとして捉え、そのディストピア自体の存在も意識できなくなっている資本主義末期の人間模様とすると、世界各国で翻訳されているのもうなずけます。

コンビニの店員さんはいずれAIに取って変わられるのでしょうが、商行為そのものから人間性が失われていく墓碑銘となる小説なのでしょう。

読後感は悲しいです。


<書籍データ>
初出「文學界」(2016年6月号)
単行本 2016年7月文芸春秋社
文春文庫 2018年9月第1刷
2020年5月30日第18刷


<雑誌『ニューヨーカー』2018年のベストブックスに選出>
2018年に英訳本“Convenience Store Woman” by Sayaka Murataが選出。記事によると日本での「閉塞感」よりは奇妙な滑稽譚としての読まれ方のようです。アメリカは自立した個人がまだ確立された社会なのでしょうか。


<著者プロフィール>
1979(昭和54)年千葉県生れ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003(平成15)年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年「コンビニ人間」で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』などがある。

新潮社のサイトより


<作品紹介>
第155回芥川賞受賞作!

36歳未婚女性、古倉恵子。
大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。
これまで彼氏なし。
オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、
変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。
日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、
清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、
毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。
仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、
完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、
私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。

ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は
「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが……。

現代の実存を問い、
正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163906188
文藝春秋社のサイトより

2020年7月23日木曜日

[惹句どんどん] 山極壽一(やまぎわ・じゅいち 京都大学総長)



ところがおもしろいことに、この触覚や嗅覚、味覚という「共有できないはずの感覚」が、信頼関係をつくる上でもっとも大事なものなんです。

サイボウズのサイトから
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m001350.html


[その他] 夏休みの工作 自作スピーカー二本立て

余命いくばくもない老人に夏休みはないのですが、1年の真ん中に何か節目があったほうが良いと毎年「夏休みの工作」を行っています。今年は豪華二本立て。


雑誌『stereo』の編集で毎年スピーカーユニットが発売されます。今年は香港ベースのマークオーディオ社製6cmフルレンジユニットです。あまり大型のユニットではないので机上で聴くタイプの制作になると思います。(コロナ禍で発売延期で8月に入手予定)。




もう一作はベース教室の先生用に作る本格的なバックロードホーン。ユニットも市販品の結構高価なものを使用します。(これは以前一度作ったことがあるのですが、当方の環境では爆音で聴けず実力が発揮できませんでした)。

制作過程、出来上がりをまた報告します。





[積読立読斜読] 『凡事徹底「一日一話」』(鍵山秀三郎著、PHP、2019年)7月24日~7月27日



P130

不都合や不条理を避けず、積極的に取り組むことが、幸せへの道を拓いていきます。


[新聞記事] 20200722_朝日新聞_皆実校生第一県女出身者へ取材 先輩の被爆証言絶やさぬ

新聞記事より。母校の生徒会が被爆証言の伝承活動。

他校生徒、地域と連携した活動です。

優秀な後輩。





20200722_朝日新聞_皆実校生第一県女出身者へ取材 先輩の被爆証言絶やさぬ

2020年7月22日水曜日

[通読立読斜読] 『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』(坂井豊貴著、岩波新書、2015年)第1章 多数決からの脱却 


第1章 多数決からの脱却

世界では国政選挙で多数決方式を採用していない国もある

ナウル
考案者で法務大臣の名をとった「ダウダールルール」

例:

定数2、候補者5
1位1点、2位0.5点、3位1/3点、4位0.25点、5位0.2点

獲得ポイントの上位2名が当選

多数決という意思集約の方式は、日本を含む多くの国の選挙で当たり前に使われている。だがそれは慣習のようなもので、他の方式と比べて優れているから採用されたわけではない。

投票で「多数の人々の意思をひとつに集約する仕組み」のことを集約ルールという。

ボルダによる多数決の研究報告
ペア敗者:ペアごとの多数決で他のあらゆる選択肢に負けてしまう選択肢
全体での多数決だと最多票を得る可能性もある

「2人のアスリートが疲れきってしまった後で、第三の最も弱い者に負けてしまうようなものだ」

「ペア敗者」という定式化を得たのは分析を進める上で大きい
「ペア敗者」を選ばない多数決とは異なる集約ルールを見つけようという方針が明確になる

ボルダルール
選択肢3の場合、1位に3点、2位に2点、3位に1点、を与える。
その総和(ボルダ得点)で全体の順位を決める

ボルダルールが国政で使われるのはまれ
スロヴェニア


<ボルダ得点>『ウィキペディア』より
ボルダ得点(ボルダとくてん)は、投票者が選好順序に従って候補にランク付けをする、一人勝者選挙方式である。ボルダ式得点法では、各々の候補に、有権者が付けたランキングの順位に対応した特定の点数を与えることによって選挙の勝者が決定される。いったんすべての票が集計され、もっとも得点の高い候補が勝者となる。ときに、多数派に好まれる候補よりむしろ、幅広い人が受け入れ可能な候補を選ぶことがあるので、ボルダ式は、多数決主義の選挙制度ではなく、世論の一致を重視した選挙制度だとしばしば言われる。

ボルダ方式は、独自に何度か開発されたことがあったが、1770年にこの制度を考案したジャン=シャルル・ド・ボルダによって命名された。現在、スロベニア下院(国民議会)の二名の少数民族議員の選出に使われており、修正型が、キリバスの大統領選挙候補とナウル議会の議員の選出に使用されている。また、様々な民間の組織やコンペによって、世界中の至る所で採用されている。

[積読立読斜読] 『一人称単数』(村上春樹著、2020年、文藝春秋)




『一人称単数』(村上春樹著、2020年、文藝春秋)


村上春樹さんの新作短編集。基本的には長編小説家であるご自身でも短編は長編執筆の間のトレーニングの要素があるようで。執筆姿勢はバラバラと書かずに一気に書き上げるそうです。(2005年の『東京奇譚集』(新潮社)の5本の短編は1週間に1本のペース)。また一つのテーマに沿って連作短編を書かれることもあります。1995年の阪神淡路大震災を「ある種の圧倒的な暴力」の片鱗として描かれました。

本作『一人称単数』は比較的短い期間に書かれていますが、これと言ったテーマはなく、少し散漫な作品集です。強いて作品の共通点を挙げれば、古希を迎えた(のであろう)語り手が青年時代の記憶を回想する主題に長く交際していない少し風変わりな女性が絡む、「石のまくらに」「クリーム」「ウイズ・ザ・ビートルズ」。風変わりな女性との邂逅を描いた「謝肉祭」「一人称単数」が、無理やり括れるとことです。

「品川猿の告白」は『東京奇譚集』収録の傑作「品川猿」の後日譚。「ヤクルト・スワローズ詩集」と「チャーリー・パーカー・プレイズボサノヴァ」は架空の詩集、架空のレコード・アルバムをまず最初にでっち上げ、それにまつわる寓話。

強いて挙げれば架空のレコード評のレコードが実際に存在した幻に遭遇し、チャーリー・パーカーが夢に出てきて自分のためにボサノヴァを演奏してくれる「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」が平均点以上でしょうか。

もう少し発表時期をずらして「コロナ禍」に関しての連作短編を書かれたらもっと傑作になったかも知れません。

ちょっと残念な短編集でした。



<作品紹介>

6年ぶりに放たれる、8作からなる短篇小説集

「一人称単数」とは世界のひとかけらを切り取る「単眼」のことだ。しかしその切り口が増えていけばいくほど、「単眼」はきりなく絡み合った「複眼」となる。そしてそこでは、私はもう私でなくなり、僕はもう僕でなくなっていく。そして、そう、あなたはもうあなたでなくなっていく。そこで何が起こり、何が起こらなかったのか? 「一人称単数」の世界にようこそ。

収録作
「石のまくらに」「クリーム」「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」「『ヤクルト・スワローズ詩集』」「謝肉祭(Carnaval)」「品川猿の告白」(以上、「文學界」に随時発表)「一人称単数」(書き下ろし)

文藝春秋社のサイトより



[積読立読斜読] 『ペンギンクラッシクスのデザイン』より アーサー・ミラー・クラシックス



ペンギン・ブックスの表紙デザインから。

アーサー・ミラー・クラシックス。

英語圏でのアーサー・ミラーのステイタスがどの程度のものかは知りませんが、ボックス・セットがペンギン・ブックスから出ているのは大御所の証明でしょうか。

それにしても装丁が美しいです。

















[ひとり「広島掃除に学ぶ会」] 通勤途上のゴミ拾い 7月20日(月)~22日(水)





21日は配偶者が車で送ってくれたのでゴミ拾いはお休みです。

今週は平日が3日しかありませんでした。

日本人は少し休み過ぎの感じがします。


[惹句どんどん] リチャード・アラン・シェーンブラム(プロ野球選手)



べつにそれでいいよ。僕は馬に乗れないけどね。

村上春樹さんの新作短編集『一人称単数』所載の「ヤクルト・スワローズ詩集」より。

P143
リチャード・アラン・シェーンブラム 1975年から76年まで外野手として広島カープに在籍。NLBではオールスター・ゲームに出場したこともある。名前が長いので「シェーン」に略された。「べつにそれでいいよ。僕は馬に乗れないけどね」と彼は言った。

リチャード・アラン・シェインブラム(Richard Alan Scheinblum、1942年11月5日 - )は、アメリカ合衆国・ニューヨーク州ニューヨーク出身の元プロ野球選手(外野手)。NPBでの登録名は「シェーン」。1975年の広島カープ、セリーグ初優勝に貢献。

2020年7月19日日曜日

[その他] a day in the life 七五三、宮参り、写真スタジオ

7月19日(日曜日)。

戸坂に嫁いだ下の娘の二人の息子H君と、N君(2歳、0歳)の写真撮影。
(当方の3番目、4番目の孫です)。

コロナ禍で実際の神社には行けず。コロナ世代の二人です。

少子高齢化で両家の両親も写真撮影に参加。

カラフルなタキシードなかなか良いですね。

N君は途中からお昼寝でした。