流寓抄以後 その五
853 元日の句の龍之介なつかしき
854 しだれけり大まゆだまのおもふさま
中村時蔵、急逝
855 夕づつのひかり身にしむ二月かな
856 一年(ひととせ)のまためぐり來しおぼろかな
市川海老蔵、十一代目團十郎を襲名。
857 春がすみ團十郎という名かな
858 着(き)ふるせるレンコートぞも啄木忌
去る日來る日のなんぞあわただしき
859 また過ぎし一週間や櫻草
伏見醍醐寺への途上
860 竹の秋道山科に入りにけり
元日や手を洗ひをる夕ごころ 芥川龍之介