2022年12月10日土曜日

[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(83)



流寓抄以後 その二


797 すべては去りぬとしぐるる芝生みて眠る


798 ほのぼのと醉つて來りぬ木の葉髪


799 老殘のおでんの酒にかく溺れ


800 煮大根を煮かへす孤獨地獄なれ


801 數珠下げていよいよ美女の寒さかな


802 鳥逃げし枝のさゆれや年の暮


803 ゆく年やしきりに岸へいどむ波




さゆれ:小揺


早苗取る手許の水の小揺(さゆれ)かな 高浜虚子