書き写し『徒然草』継続中です。本日は著名な第55段。
自分の使っている書き写し『徒然草』は、『徒然草』の中から32段を選んであり、本日で半分ぐらい終了です。
徒然草(上)
第55段 家の作りやうは、夏をむねとすべし。
<原文>
家の作りやうは、夏をむねとすべし*。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。
深き水は、涼しげなし。浅くて流れたる、遥かに涼し。細かなる物を見るに、遣戸は、蔀の間よりも明し*。天井の高きは、冬寒く、燈暗し。造作は、用なき所を作りたる*、見るも面白く、万の用にも立ちてよしとぞ、人の定め合ひ侍りし*。
<用語解説>
家の作りやうは、夏をむねとすべし:家を作るときには、夏の住みやすさを優先して作るのがよい。
遣戸は、蔀の間よりも明し:<やりどは、しとみのまよりあかし>と読む。遣り戸の部屋は、蔀の部屋よりも明るい。「遣戸」は引き戸のこと。「蔀」は、平安時代から住宅や社寺建築において使われた、格子を取り付けた板戸。上部に蝶番(ちようつがい)をつけ、外または内側に水平に釣り上げて開ける(『大字林』より)。
造作は、用なき所を作りたる:家の造りとしては、特に要もないというようなところを作っておく、。
人の定め合ひ侍りし:人々が議論し合ったことだ。
<ポイント>
この国の、湿潤なことを考えて家は作るべきだという。現代では、冷房装置の発達によって、兼好のアドバイスはみな忘れてしまったのであるが、これは一時代前まで定説であった。
http://www2.yamanashi-ken.ac.jp/~itoyo/tsuredure/turedure050_099/turedure055.htm
