2020年4月14日火曜日

[惹句どんどん] 黒柳召波(江戸中期の俳人)


最近購入した岩波文庫『美しい日本の詩』(大岡信、谷川俊太郎、編、2020年)で見つけた句です。海鼠にも悩みがある。


憂(う)きことを
海月(くらげ)に語る
海鼠(なまこ)かな 

召波(しょうは)



黒柳召波(読み)クロヤナギショウハ
デジタル大辞泉の解説
[1727~1772]江戸中期の俳人。京都の人。別号、春泥舎。服部南郭に漢詩を学んだが、俳諧に転じ、蕪村の弟子となった。遺稿に「春泥句集」がある。


季語は海鼠(冬)



クラゲとナマコの対話という題材は珍しく、句も新鮮だ。「あわれ」と「をかし」を兼ね備えている句といえよう。理屈をいえば、海底にいながら人にねらわれて食われるナマコが、水面にいるのに食用に不向きなため比較的安全なクラゲに対して、身の憂さ、辛さをぼそぼそ話している図と解されようが、そこまで理詰めに解さずとも、単に浮遊するものと這うもの会話と見るだけで面白い。
「折々のうた」大岡信



俳句の書は、こちらからお借りしました。

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