2017年9月28日木曜日

[惹句どんどん] 久保田万太郎(1)



昭和24年刊『落語鑑賞』(安藤鶴夫著)に序文の代わりとして久保田万太郎が寄せた俳句。10編の古典落語の聞き書き。時々読み返してます。万太郎の俳句はあとがきに掲載されてます。


「酢豆腐」の「たゝむかとおもへばひらく扇かな」はまさに落語通りですね。


鰻の幇間
横町のうなぎや日のさかりかな

明烏
大門といふ番所ありほととぎす

酢豆腐
たゝむかとおもへばひらく扇かな

素人うなぎ
夏の夜の酒にのまるゝ性根かな

寝床
短夜やらちくちもなく眠りこけ

(注)らちくち【埒口】「―もない」(めちゃくちゃだ)

船徳
漕ぎいでゝいよいよつよき南風(みなみ)かな

厠火事
短日の夫婦のでるのひくのかな


笠碁
ばかにならぬしぐれの降りとなりにけり

富久
火事見舞あとからあとゝふえにけり

心眼
短日や大提灯の朱ヶのいろ



画像は明治の「銀座カリー」のサイトからお借りしました。「銀座紳士録」より。
https://www.meiji.co.jp/foods/curry/ginza/shinshi/kubotamantaro.html