2016年5月29日日曜日
[新聞記事] 同窓会 補助する自治体続々 Uターン・経済効果を期待
5月29日付けの朝日新聞デジタル記事。
地方自治体が人口減の対策として地元で開催される同窓会に補助金を出しているようです。
一方、効果がないとして中止する自治体もあります。
================================================================================
同窓会、補助する自治体続々 Uターン・経済効果を期待
(伊藤唯行 2016年5月29日 朝日新聞デジタル)
故郷を離れた人が懐かしの顔に会うため、久しぶりに戻って来る同窓会。これをUターンに結び付けようと、同窓会の会費を補助する自治体が地方を中心に増えている。参加者には好評だが、思惑通り人口増につながるかは未知数だ。
山形県の日本海側。鳥海山を見渡す遊佐町は2014年から、町内の小中学校を卒業した人が開く同窓会に補助金を出し始めた。出席人数や年齢などの条件を満たすと、1人当たり2千円前後の補助金が出る。目的は若い世代の人口増だ。
町の人口は約1万5千人で、30年で約5千人減った。特に若い世代は進学や就職を機に町外に出たままということが多い。そんな若者たちが久しぶりに戻って来るのが同窓会。町はここに目を付けた。
ログイン前の続き町企画課の後藤夕貴さんは「同窓会は故郷のことを知る良い機会。町の子育て支援などを知ってもらい、戻りたいと思ってもらえれば」と話す。若い人のUターンを促すのが目的のため、条件は出席者が20~39歳で、独身者が3分の1以上いることなど。町外在住者が3分の1以上だと補助額が上がる。
2年間で5グループ、約90人が補助を受け、飲食代などに利用。会が始まる時には職員も同席し、子育て支援策などをまとめた冊子を配って町の良さをアピールし、Uターン希望を聞くアンケートも行う。参加者からは「補助があると集まりやすい」「Uターンも考えていたので、地元の同級生に町の話を聞けて良かった」と好評だ。
同窓会への補助は他の自治体でも相次いでいる。共通するのは都市部から離れた場所にあり、若者の流出に悩んでいるという点だ。神奈川県松田町は成人なら年齢制限がなく、高齢者の同窓会も補助するのが特徴。同町は「60~70代の同窓会では子どもの家庭の話題が多い。町の充実した子育て環境を知り、子どもを呼び寄せる動きにつながれば」と話す。
昨年から始めた兵庫県西脇市は人口増だけでなく市内の経済効果も狙う。補助対象は「市内の店舗で10万円以上かかった場合」。市は「大きな会を開いてもらうことで飲食店の売り上げにつなげたい」。市内のホテルが同窓会専用のプランを設けるなど盛り上がりを見せ、昨年度は約1100万円の経済効果があったという。
一方で事業を取りやめた自治体も。岡山県高梁市は09年度から3年間実施。計227件、7083人が利用し、市外の人も6割いたが、市は「移住につながったかどうか、効果がはっきりしなかった」と振り返る。今は移住用の空き家の整備や相談態勢の充実などに力点を移している。
13年度から始めた新潟県糸魚川市は今年度から、担当を定住促進の部署に変更した。「もっと積極的にアピールすることで移住に結び付けたい」と話す。
同窓会のプロはどう見るのか。幹事業務の手助けなどを行う「同窓会本舗」(東京)の荒瀧智範代表は「同窓会は普通のパーティーより盛り上がるので、故郷の良さを感じる人が多いのは確か。たまたまアルバムを見たなどちょっとしたことが開催のきっかけになるので、補助は開催の大きな後押しになると思う」と評価する。(伊藤唯行)
