世界で約3万5千店以上を展開する世界的規模のFFチェーン(店舗数の一位はサブウエイ)、もともとは1940年、カリフォルニア州サンバーナディノでマクドナルド兄弟が始めたのがオリジナルで、映画ではFC化して巨大チェーン化したレイ・クロックが「創業者」として描かれています。
全編ほとんど有色人種が登場しない古きよき時代のアメリカ白人社会にあって、強烈な上昇志向を持って一代で世界的なチェーンを構築した主人公をいまさら描く映画とうい点で興味深かったです。
もともとはミルクシェイク・ミキサーのセールスマンだった地方出張中のクロックが、モーテルで自己啓発書の朗読レコードを聞くシーンが登場しますが、ノーマン・ビンセント・ピールのベストセラー『積極的考え方の力』だそうで、トランプ米大統領が唯一の「師匠」として仰いでいる人物だそうです。
映画内で興味深かったのは、ほとんど知られていなかった真の創業者マクドナルド兄弟のサクセス・ストーリーです。
またFC化を渋る兄弟にレイ・クロックが説得材料に使った、アメリカの全土に協会と法廷以外のシンボル(ゴールデン・アーチ)を広げようというエピソード(創作かも)が面白かったです。実際にそうなったし。
白人社会へのノスタルジーあふれる1950年代を描いた本作。トランプ大統領誕生の思想的背景を理解できるかも知れません。
ちょっと他の知識メモ。
ビッグ・マック指数
マクドナルドのビッグマックの価格は、ビッグマック指数と呼ばれ、通貨間の購買力平均価格の比較手段として使われた。この指標の考案者はイギリスの経済雑誌『エコノミスト』誌(The Economist)である。マクドナルドの標準化は、同時に生活様式や経済活動のグローバリゼーションを意味した。
マクドナルドを食べる国同士の戦争はない?
トーマス・フリードマンは自著の『レクサスとオリーブの木』の中で、“黄金のM型アーチ理論”として「マクドナルドのある国同士は戦争を行わないだろう」と予言したが、1999年にアメリカ合衆国のセルビア爆撃によって破られている。
以上はウィキペディア。
デイヴィッド・アルバースタムの著書『ザ・フィスティーズ』にはマクドナルドの他にもアメリカン・ウェイ・オブ・ライフを作ったとされる住宅の紹介もあり、ちくま文庫版には映画評論家の町山智浩さんが解説を書いてます。(当然この映画評も的を得たものになります)。
以上だらだらと書きましたが、映画そのものは題材が強烈で面白かったのと、1950年代をセットでよく表現したのは認めるものの、レイ・クロック自身の掘り下げが不十分で魅力をそがれました。残念。

