2019年12月19日木曜日

[あの頃のレコード] "Happy Xmas" Erick Clapton (2018)



「あの頃のレコード」とありますが、例外編。

エリック・クラプトンさんが2018年に出したクリスマス・ソングのアルバムです。

敬愛する作家の村上春樹さんも、自身のラジオ番組でクリスマス・ソングの特集をしたときに、「クリスマスにクリスマス・ソングをかけておかないと、他にかける時がないですからね。」とおっしゃてます。

https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/index_20181216.html


村上さんの選曲の中で、クラプトンのアルバムと被っている曲があり、"White Christmas
"(Sheryl Crow)です。これはこれで聴きごたえがあります。

「クリスマス」という統一されたフォーマットでいろいろなミュージシャンがアルバムを作る、というのも良い伝統かも知れません。

日本のミュージシャンだと少し衒いがあります。1曲だけならいいかも。

クラプトンさんのアルバムは定番のクリスマス・ソングを練達のブルースで仕上げたリラックスして聴けるアルバムに仕上がっています。

クリスマスまではこればっかり聴いてます。多分。


下記はCD版の並びです。当方のは45回転レコード2枚組でした。

1. ホワイト・クリスマス/ White Christmas
2. 飼い葉の桶で(ダビデの村に)/ Away In A Manger (Once In Royal David’s City)
3. フォー・ラヴ・オン・クリスマス・デイ/ For Love On Christmas Day
4. エヴリデイ・ウィル・ビー・ライク・ア・ホリデイ/ Everyday Will Be Like A Holiday
5. クリスマス・ティアーズ/ Christmas Tears
6. ホーム・フォー・ザ・ホリデイズ/ Home For The Holidays
7. ジングル・ベル(イン・メモリー・オブ・アヴィーチー)/ Jingle Bells (In Memory Of Avicii)
8. クリスマス・イン・ホームタウン/ Christmas In My Hometown
9. イッツ・クリスマス/  It’s Christmas
10. センチメンタル・モーメンツ/  Sentimental Moments
11. ロンサム・クリスマス/ Lonesome Christmas
12. きよしこの夜/ Silent Night
13. メリー・クリスマス・ベイビー/ Merry Christmas Baby
14. ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス/ Have Yourself A Merry Little Christmas





amazonで注文したのですが、配送方法が「置き配」という新しいシステムで届きました。大きなツリーを飾っていたのでサンタさんからのプレゼントのようで癒されました。




2019年12月18日水曜日

[積読立読斜読] 『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短編29』より 小川洋子「『物理の館物語』」、川上未映子「愛の夢とか」




本日は短編二編を読みました。小川洋子さんの「『物理の館物語』」(2009年)は「自然と記憶」というカテゴリー、川上未映子さんの「愛の夢とか」(2011年)は「近代的生活、その他ナンセンス」というカテゴリーです。前者はわかりますが、後者はカテゴリーが意味不明なところがあります。

この手のアンソロジーとしては珍しく、比較的最近の作品で、日本の文壇的な評価はまだ確定していないようですが、結構楽しめました。


「『物理の館物語』」(2009年)
書籍編集者として32年間勤めた出版社を定年退職した男の回想から物語は始まります。少年少女の誰もが経験したことのある超俗的な体験を、空き家に住む奇怪な老女に託し、その老女のつぶやきを少年が聞き書きをしたのが『物理の館物語』という設定です。正統派の短編という感じです。



「愛の夢とか」(2011年)
川上未映子さんはその独特の文体に好き嫌いが分かれるかも知れません。隣家のピアノを弾く老女と、40代と思しき夢遊病の気がある主婦との、一時的な交流を描いた、ちょっとミステリアスな短編です。





小川洋子 プロフィール
1962(昭和37)年、岡山県生れ。早稲田大学第一文学部卒。1988年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。1991(平成3)年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞を受賞。『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、2006年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、2013年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。『薬指の標本』『琥珀のまたたき」など多数の小説、エッセイがある。フランスなど海外での評価も高い。



川上未映子 プロフィール
1976(昭和51)年、大阪府生れ。2007(平成19)年、デビュー小説『わたくし率 イン 歯ー、または世界』が第137回芥川賞候補に。同年第1回坪内逍遥大賞奨励賞受賞、2008年『乳と卵』で第138回芥川賞受賞。『ヘヴン』(芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞)、短編集『愛の夢とか』(谷崎潤一郎賞)、『あこがれ』(渡辺淳一賞)など著書多数。長編小説『夏物語』(毎日出版文化賞)は世界10数か国で翻訳出版の予定。

新潮社のサイトより

[積読立読斜読] 『教育格差 ―階層・地域・学歴』(松岡亮二著、ちくま新書、2019年)


400ページ近い重量級の新書。書店でパラパラめくってみると豊富なデータを積み重ね、早急な結論を出そうとしていない著者の姿勢に好感が持て、購入してみました。

新書ですが学術書のように少しづつ読まないと理解できなと思いましたので、何回かに分けて要約するノートを取りながら読んでいきます。

まず第一回は書評から。朝日新聞に掲載された、出口治明さんのもの。

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<内容紹介>
日本は「生まれ」で人生の選択肢・可能性が大きく制限される「緩やかな身分社会」。教育格差の実態を圧倒的なデータ量で検証。すべての人が自分の可能性を活かせる社会をつくるために…

<書評>
教育格差 階層・地域・学歴 [著]松岡亮二
 何事であれまっとうな議論を行おうとすれば「数字・ファクト・ロジックで」「エピソードではなくエビデンスで」語らなければならないことは世界の常識である。書店の店頭に並べられた新刊書を手に取るたび、そういったまともな本の余りの少なさにいつも悲しくなる。本書は、日本の教育の実態を俯瞰的に捉えた数少ない正攻法の力作である。読後感は重いが説得力は半端ではない。教育に興味のある人にぜひとも一読してもらいたい一冊だ。
 著者は前口上で、日本は生まれ育った家庭と地域によって、何者にでもなれる可能性が制限されている「緩やかな身分社会」だと指摘する。最初に、戦後いつの時代にも教育格差があったことを示し、次に教育格差が生成するメカニズムを幼児教育、小学校、中学校、高校と各教育段階ごとに解明していく。公立小学校は平等化装置として機能することが期待されているが(誰もが同じスタートラインに立つ)、「生まれ」によるそれまでの格差をゼロにするほどの力はなく、むしろ学年が上がるにつれ格差は拡大する傾向にある。中学校になると、都市部では高学力層が私立に抜けるため公立校の学力は小学校より均質化(平均が低下)する。日本の高校は特異で偏差値序列によって高校間に大きな学力格差が生じている。国際比較を行うと、日本は公平性が高いわけでも低いわけでもない、とても凡庸な教育格差社会だ。
 人には無限の可能性があるが、本人にはどうしようもない「生まれ」が人生の可能性を大きく制限している現実に対して、何ができるのだろうか。著者は「分析可能なデータを収集する」「教職課程で『教育格差』を必修に!」という二つの提言を行っている。現状把握なき改革のやりっ放しは止めなければならない。分析可能なデータを定期的に取得しなければ病変の広がりがわからない。地味だがとても建設的な提言だ。次は政府、社会が答える番だ。
    ◇
まつおか・りょうじ ハワイ州立大博士課程修了。早稲田大准教授(教育学、教育社会学)。論文多数。

https://book.asahi.com/article/12689927

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2019年12月17日火曜日

[その他] 久しぶりです 前島密さん



10月1日より郵便料金が値上げ。封書82円が84円。はがき62円が63円に。しばらくは1円切手の出番が多くなりそうで、さっそく1円切手を貼った封書(DM)が届きました。

当方の小学校3年~6年は当時の小学生の通過儀礼として切手の収集をしておりました。「文化人シリーズ」というのがあって「西周」さんの「周(あまね)」という字も覚えました。一般的教養を高めるという意義はあったかも知れません。

ですので、前島密さんの復習。ちゃんと時間通り荷物や郵便が届くのは前島密さんが創造した日本郵便システムに基礎があるようです。(郵便がちゃんと届かない先進国もあります(例:イタリアなど))。

前島密  1835‐1919(天保6‐大正8)
まえじまひそか 
日本の近代的郵便制度の創始者。幼名上野房五郎。越後高田藩士の家に生まれ,江戸に出て医学,英語,航海術などを学んだ。1866年(慶応2)幕臣前島家を継ぎ,69年(明治2)明治政府に出仕した。70年租税権正と駅逓権正を兼任し,郵便創業の建議を行った。この建議に基づいて郵便事業は彼がイギリス出張中の翌71年に創業された。帰国後,駅逓頭に就任し,郵便切手の発行,郵便ポストの設置,時間を設定した業務運行を実施したが,〈郵便〉という名称も前島の考案である。均一料金制の実施,郵便事業の独占,日米郵便交換条約の締結(以上1873),万国郵便連合への加入(1877),郵便貯金の創業(1875)も彼の指導による。81年に明治14年の政変で大隈重信らと下野したが,88年逓信次官に復帰し,91年電話事業を国営で創業した。東京専門学校(早稲田大学の前身)校長,関西鉄道社長にも就任した。国字改良論者としても知られ,早くも1866年に〈漢字御廃止之議〉を建議,1900年には国語調査委員長をつとめた。                    小林 正義
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2019年12月16日月曜日

[積読立読斜読] 『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短編29』(ジェイ・ルービン選、村上春樹序文、2019年新潮社)より 星新一「肩の上の秘書」



星新一さんの「肩の上の秘書」を読みました。編者のカテゴリーでは「近代的生活、その他ナンセンス」に宇野浩二、別役実、川上未映子、の作品とともに選ばれています。

「肩の上の秘書」の発表は1961年で、星新一さんによって確立されたSFショート・ショートの典型と言っていいかも知れません、時代・地域を超越した近未来小説として今日的視点で読んでも十分鑑賞に堪える作品となっています。

従来の海外向けの日本文学選集ではおそらく選にもれた作家かも知れません。

星新一さんの作品は中学校時代によく読みました。一番初めは文庫本の『きまぐれロボット』(角川文庫版、1972年)でした。先ごろ亡くなった和田誠さんの装幀で洒脱な感じが中学生には新鮮でした。



2019年12月15日日曜日

[積読立読斜読]『巨大なラジオ/泳ぐ人』(ジョン・チーヴァー著、村上春樹訳、新潮社、2018年)より「パーシー Percy」



村上春樹訳のチーヴァー短編集、最後の一編「パーシー」を読んで読了しました。

「パーシー」はチーヴァーの自伝的要素の強い作品で、叔母の名前「パーシー」を表題にしています。1968年9月21日号『ニューヨーカー』掲載。

作者自身と思われる語り手を通してみた一風変わった叔母「パーシー」を軸に、自分の一族の歴史を辿った自伝的要素の強い短編です。変わりようも大変な変わりようですので、本編を読まれてください。

チーヴァーが逆に破滅型の作家にならなかったのは、この叔母が反面教師だったのかも。

P296
回想録というものは、チーズボードや、ときおり花嫁に贈られる醜い陶器などと同じように、海に向かおうとする「マニフェスト・デスティニー」(村上注:自明の運命。アメリカの西に向かう領土拡大を正当化する論理)を有しているらしい。

P311
彼女は自宅の食堂で午前三時に亡くなった。グラス一杯のジンを取りに行ったのだ。そして一族は葬儀のために最後に集まった。
出来事がもうひとつあった。ぼくはローガン空港で飛行機に乗ろうとしていた。待合室を横切っていくと、床を掃いていた男がぼくを呼びとめた。「あんたを知っているよ」と彼はだみ声で行った。「あんたが誰だか知っている」「どなたでしたっけ?」「ぼくは従兄弟のボーフォートだよ」と彼は言った。「あんたの従兄弟のボーフォートだよ」
ぼくは財布に手を伸ばし、十ドル札を取り出した。「金がほしいんじゃない」と彼は言った。「ぼくはあんたの従兄弟なんだ。あんたの従兄弟のボーフォートだ。ぼくは仕事を持っている。金なんていらない」「元気かい、ボーフォート?」とぼくは尋ねた。「ラヴェルとパーシーは死んだ」と彼は言った。「みんなは彼らを土に埋めた」「時間がないんだ、ボーフォート」とぼくは言った。「飛行機に乗り遅れちまう。君に会えて良かった。さよなら」。かくのごとくぼくらは海へと向かうのだ。





[同窓会] 28期地歴部フィールドワーク 皆実高校周辺の建築物をめぐる


12月15日(日曜日)は皆実28期地歴部のフィールドワークでした。今回は「皆実高校周辺の建築物を巡る」と称し「建築」がテーマとなりました。現存する、もしくはすでに取り壊された、またはこれから取り壊し予定、と様々な事情があります。

(0)江波射撃場跡
(1)シュモーハウス
(2)昭和町平和住宅
(3)皆実平和住宅(シュモーの庭)
(4)比治山陸軍墓地
(5)旧ABCC
(6)旧ABCC職員寮


参加者はレギュラーメンバーの4名でした。

結構面白いので次回は多数の参加をお待ちしております。

[その他] 広島掃除に学ぶ会 亀山中学



12月15日(日曜日)は広島掃除に学ぶ会の活動で亀山中学のトイレ掃除に参加しました。この学校は今年で12年目のトレイ掃除となり、すっかり全校の定例行事として伝統となっております。班編成も14班もありました。

掃除に学ぶ会関係者30人、学校関係者200余人、合計で230余人の参加がありました。

2019年の学校でするトイレ掃除はこれで最後です。

[その他] 通期途上で 夕焼け



通勤途上で見事な夕焼け。この風景を素晴らしいと思う感情は、朝日新聞の原武史さんの記事で「パトリオティズム」だと知りました。

2019年12月14日(土曜日)付け朝日新聞。「歴史のダイヤグラム」(原武史さんの記事)より。

民俗学者の柳田國男は、1934(昭和9)年に発表した「旅人の為に」で、列車の窓から眺められる全国の絶景区間を列挙してから、こう述べている。「日本はつまり風景のいたって小味な国で、この間を走っていると知らず識(し)らずにも、この国土を愛したくなるのである。旅をある一地に到着するだけの事業にしてしまおうとするのは馬鹿げた損である」
「この国土を愛したくなる」感情というのはパトリオティズムであって、ナショナリズムではない。それは目に見える具体的な国土を愛する感情であって、目に見えない抽象的な国家を愛する感情とは区別されるものだ。

2019年12月14日土曜日

[その他] 忘年会(広島掃除に学ぶ会)



12月14日(土曜日)、広島掃除に学ぶ会の忘年会。

新天地のイタリア風居酒屋、GIRINO(ジリノ)で。店名はオーナーの名前のりじさんを逆に読んだものだそうです。

余興でギター漫談を披露しました。なかなか全年齢層に受けるネタはなく、悩ましいところです。押しかけですみません。

<ギター漫談>
(1)ベッドに卵や酢はないわ
(2)夜明けのスクワット
(3)良樹の伝言

<ちゃんと演奏した曲>
(1)Happy Xmas (War is over)
(2)Blackbird




[惹句どんどん] ことわざ 下種の一寸、のろまの三寸、馬鹿の開けっ放し



下種の一寸、のろまの三寸、馬鹿の開けっ放し

読み方 げすのいっすん、のろまのさんずん、ばかのあけっぱなし
意味 戸を閉める時に、下種は一寸閉め残し、のろまな者は三寸閉め残し、愚か者は開けっ放しにしてしまう。戸の閉め方で、その人の品性・性格がわかるということ。

WEB版こどわざ辞典より

※戸はちゃんと閉めましょう。寒くなってきたので。

2019年12月12日木曜日

[積読立読斜読]『巨大なラジオ/泳ぐ人』(ジョン・チーヴァー著、村上春樹訳、新潮社、2018年)より「林檎の世界 The World of Apples」




チーヴァーの村上春樹訳短編集、あと一編で読了となります。

本日は「林檎の世界 The World of Apples」を読了。

1966年12月『エスクァイア』に掲載。

この時期のチーヴァーはイタリアに住んでいたこともあり、イタリアを舞台とした作品を数編の越しているようです。

故国アメリカを離れ、イタリアの田舎に住み着いた老齢の詩人。ノーベル賞万年候補の世界的な詩人で、わざわざ彼を訪ねて代表作(題名となった『林檎の世界』)にサインを求められることもあります。ある日偶然自らの激しい性的オブセッションに取りつかれた詩人。救済はあるのでしょうか?結末は明るくユーモアに満ちていて安心しました。

チーヴァーの代表的な短編はアメリカの東海岸の高級住宅地が舞台で、言葉も平易なものが多いようですが、桂冠詩人の独白という形態の本編は流麗なレトリックが多く、詩人の内在を表現するために必要だったのかと思いました。

P280
その土地の美しさは様々であり、陰鬱だった。そこで彼はいつまでもよそ者であるだろう。しかしそのよそ者性は、時間を包含する一種のメタファーであるように彼は思えた。異国の壁に沿って異国の階段を上ることによって、彼は時刻を、月を、年を、十年単位の歳月を通過していくような気持がした。


村上春樹さんの解説では、「チーヴァーが生涯を通じて追及してきた「罪とその救済(あるいは救済の不在)」というテーマは、舞台を外国に移してもやはり彼を執拗に追跡してくる。白い息を吐く、疲れを知らぬ冬の猟犬たちのように」とありますが、幸いこの一編では救済されたようです。






2019年12月11日水曜日

[その他] 帰宅途中でエイを見ました




勤務先から歩いて帰宅中、御幸橋の南、200mほどの京橋川で。ガラケーの写真なので判然としませんが、悠然と泳ぐエイを見ました。ここ等あたりはもう塩水かも知れませんが、自然に泳いでいるエイを見たのは初めてです。

2か月ほど前に家の近所で二匹のタヌキを見かけたことがあり、何か天変地異の前触れかも。