2024年7月6日土曜日

[積読立読斜読] 『漱石俳句集』(坪内捻典編、岩波文庫)明治三十年 315—324


321 蟷螂の何を以つてか立腹す





 [積読立読斜読] 『漱石俳句集』(坪内捻典編、岩波文庫)明治三十年 315—324


315 来て見れば長谷は秋風ばかりなり


316 仏性は白き桔梗にこそあらめ


317 其許(そこもと)は案山子に似たる和尚かな


318 南九州に入つて柿既に熟す


319 樽柿の渋き昔を忘るるな


320 渋柿やあかの他人であるからは


321 蟷螂の何を以つてか立腹す


322 蛼(こおろぎ)のふと鳴き出しぬ鳴きやみぬ


323 秋風や棚に上げたる古かばん


324 名月や無筆なれども酒は呑む