単行本は2011年朝日出版社からで第2回の「紀伊國屋じんぶん大賞―読者が選ぶ人文書ベストブック」の大賞となりました。紀伊國屋はいつも行く書店なので当然店頭では目立っていたのですが、大学の講義録をもとに作成されたとはいえ哲学書でしかも大部であり、到底一般読書としての読了は難しいと判断し敬遠しておりました。知らない間に文庫化され、新潮文庫の年末のプロモーション企画「紅白本合戦」で男性読者の読む「白組」の上位にランクインされたこともあり購入してみました。
「暇」とそれに伴う「退屈」についての考察は著者のオリジナルではなく、概念への命名方法こそ違え古今東西の哲学者の先行研究があることが読み進むにつれ判明してきます。読了した後も考察に結論があるわけではありませんが、よりよく考える生活、へのヒントになる良書でした。
<内容紹介>
「暇」とは何か。人間はいつから「退屈」しているのだろうか。答えに辿り着けない人生の問いと対峙するとき、哲学は大きな助けとなる。著者の導きでスピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど先人たちの叡智を読み解けば、知の樹海で思索する喜びを発見するだろう――現代の消費社会において気晴らしと退屈が抱える問題点を鋭く指摘したベストセラー、あとがきを加えて待望の文庫化。
<著者プロフィール>
國分功一郎
コクブン・コウイチロウ
1974年千葉県生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、東京大学大学院総合文化研究科修士課程に入学。博士(学術)。専攻は哲学。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。2017年、『中動態の世界――意志と責任の考古学』(医学書院)で、第16回小林秀雄賞を受賞。主な著書に『暇と退屈の倫理学』(新潮文庫)、『来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』(幻冬舎新書)、『スピノザ 読む人の肖像』(岩波新書)など。

