「帝王切開なんかしたら落ち着きのない子に育つ」
「赤ちゃんには母乳が一番。愛情たっぷりで頭もよくなる」
「3歳までは母親がつきっきりで子育てすべき。子もそれを求めてる」
近年の経済学の研究は、これらがすべて間違いであることを示している。
本書は、結婚・出産・子育てについて経済学等の科学的研究成果をもとに、家族がより「幸せ」になるためのヒントを紹介する。
経済学は、人々がなぜ・どのように意思決定をし、行動に移すのかを考える学問
経済学から得られた知見を活かすことで、家族の幸せににより近づくことができる
<本書の構成>
第1章 結婚の経済学
人はなぜ結婚するのか
結婚に何を求めているのか
どうやってお互いを選ぶのか
経済学からアプローチとマッチングサイト利用者データ分析による
第2章 赤ちゃんの経済学
胎内環境が成人になってからの行動にも関わる
母乳育児には大きな効果がない
近年の研究で何が「真実」か、何が「神話」なのかを解析
第3章 育休の経済学
育児休業制度によって母親の働きやすさがどう変化するか
「育休3年制」の検討
新生児は母親が育てる必要があるのか
第4章 イクメンの経済学
父親の育児参加の経済学的な分析
日本の現状とノルウェーの事例の対比
第5章 保育園の経済学
幼児教育は子供の知能面・行動面の発達に大きく寄与する
子供は三歳までは母親が育てるべきという日本の「3歳児神話」の是非
保育園は母親の精神面の安定にも寄与する
第6章 離婚の経済学
日本の夫婦間の合意で離婚が成立する離婚要件を緩めた場合
離婚後の共同親権が導入された場合
(アメリカ・ヨーロッパの経済分析より検討)
P24
恋愛・結婚は個人的な問題だが、恋愛・結婚の妨げになるような経済的・制度的な要因があるのなら、それを取り除くことは、個人にとっても、社会全体にとっても望ましい。
既婚女性の子供の数は変化がない、未婚率の上昇が少子化の大きな原因。
少数の現役世代が、多数の引退世代を支えるという社会問題を抱えることになる。
第1章 結婚の経済学
(1)人はなぜ結婚するのか
(2)結婚における「出会い」の場
(3)夫婦の経歴の相似(なぜ似たものカップルが多いのか?)
1 人々は結婚に何を求めているのか
P27
総務省による50歳時未婚率(≒生涯未婚率)
1950年は1.5%
2010年、男性20%、女性10%(男性の方が高いのは再婚する人が多いため)
男性は、自分の相手には結婚歴がなく、自分よりも若い女性を好む傾向がある一方、女性は相手の結婚歴や年齢をそれほど気にしない。
6割の女性が夫に家事・育児能力を求めている。
初めて結婚する年齢(初婚年齢)は1950年に比べて男女とも4歳以上、大幅に晩婚化が進んだ。
男性:「家事・育児の能力」を重視するが5割以上。
女性:「経済力」を重視するは4割以上
女性:自分の仕事を理解してくれることを重視するが5割近く
※非婚化・晩婚化が進む要因?
P36
結婚が持つ経済的な要素
「費用の節約」
「分業の利益」
「リスクの分かち合い」
P38
「機会費用」
子育てにかける時間を金銭的に評価したものも、子育ての費用に参入する。
子育てによって失われたであろう収入が、子育ての暗黙の費用。
かつての日本では家業の跡継ぎ、老後の面倒を、子供に期待していたが、現代では現実的でない。
高学歴でキャリアのある女性ほど、子育てによって暗黙のうちに失われる収入は大きくなる。
世の中が便利になるにつれて、家事・育児能力の家庭における重要性が低下してきている。
(1)女性にとって子供を持つ暗黙の費用が大きく上がったこと。
(2)結婚から得られる「分業の利益」が下がっている。
この2点が未婚率の上昇の理由(筆者の意見)。
2 どうやって出会い、どんな人と結婚するのか
戦前はお見合いが70%、近年では5%。
異性の多い職場は、職場結婚も多い。
異性の多い職場は、離婚もしやすい、同じ職場の異性と再婚することもある。
アメリカでは男女のカップルの2割がマッチングサイトを通じて出会っている。
(データの確実性が上がった)。
似たもの同士の結婚は世界共通、日本では同じような学歴同士の結構が多い。
(高校と大学では進学率が違うのでデータ補正が必要か?)