副題が「逆境を超え、世界を制した20世紀ポップスの物語」です。
既存のロック史と違う点は、著者自信がミュージシャンであることと、日本とアメリカのダブルであること、という視点から俯瞰的に音楽産業、日本社会を監査することができ(木を視て、森を観る)、一線を画した良書といえます。書名の「戦いの音楽史」は既存音楽産業、同質化日本社会との「戦い」と捉えました。
当方が音楽を熱心に奇異ていたのは中学・高校時代のみ。年代で言うと70年代に限っています。前史から最近の事例まで、包括的に知ることができるのはありがたいです。
付録としてポピュラー音楽史が一目でわかるチャートと、アルバム単位の「20世紀ポップス名盤50選」がついてます。
引用されていた資料「年代別音楽視聴金額」によると、年代が増すにつれて支出が激減しており、音楽を通じて外国や現代社会への知的欲求すらが減っていくことは避けなければいけません。
<目次>
第1章 【誕生】 アメリカ大陸に集結した移民と音楽(~1940年代)
第2章 【伝播】 ロックンロールは不良の音楽か?(1950年代~)
第3章 【熱狂】 ビートルズがやってきた(1960年代~)
第4章 【変化】 ロックは、派生の時代に突入する(1970年代~)
第5章 【逆転】 白けたムードを打破したアングラの大成(1980年代~)
第6章 【軋轢】 ヒップホップに込めるブラックパワー(1990年代~)
終章 【挑戦】 音楽とインターネットは共存できるか(2000年~)
※索引がついておらず、事典としては使えないのが残念。


