スローリーディング中の漫画原作『この世界の片隅に』。
本日は「第24回昭和20年2月」の回を読みました。
兄・要一が戦死し広島市で合同慰霊祭があったので帰省したという設定です。南洋で遺骨もないので骨壺には小石が入っていたという例です。長男がなくなったのにすずさんの家庭は妙に明るく、戦時下で「死」が特別なものではなく、日常的なものという恐怖の暗喩と解釈しました。
映画版の監督の片渕氏は徹底的な取材で亡くなった場所を推定して、映画にリアリティーを加えています。
陸軍軍人として出征した、すずさんの兄・要一は、乗っていた船が沈没して戦死したらしい、という場面があります。たまたま呉出身の友人がいて、その方のおじいさんが広島連隊で、入営した時期が要一と同時期とわかりました。そのおじいさんは、今のベトナムあたりのカムラン湾で船が沈んで泳いだっていうんです。ニューギニアのほうへいくのには、当時はベトナムを経由したようで。こうしたことから、要一が戦死した場所がおよそ思い描けるようになりました。
片渕須直と読み解く『この世界の片隅に』
公式アートブック『この世界のさらにいくつもの片隅に』(宝島社、2019年)より

