2021年5月4日火曜日

[積読立読斜読] 『名句の所以(ゆえん)』(小澤實著、毎日新聞出版、2018年) 夏の部 (1)

 


みづうみのみなとのなつのみじかけれ
田中裕明

 

数多(あまた)なる岬・崎・鼻けぶる夏
澤好摩

 

葉ざくらや人に知られぬ昼あそび
永井荷風

 

葉桜の中の無数の空騒ぐ
篠原梵

 

三枚におろされている薄暑かな
橋閒石











みづうみのみなとのなつのみじかけれ 田中裕明
数多(あまた)なる岬・崎・鼻けぶる夏 澤好摩
五月わが部屋を光の箱にして 細谷喨々
葉ざくらや人に知られぬ昼あそび 永井荷風
葉桜の中の無数の空騒ぐ 篠原梵
三枚におろされている薄暑かな 橋閒石
夜的の灯(ひ)草のはるかに置かれけり 上井川梨葉
花こぼるる棕櫚の下掃くさびしさよ 村山たか女
一八(いちはつ)に雨のふるなり屋根の上 村上霽月
短夜や盗みて写す書三巻 大須賀乙字