2021年7月13日火曜日

[積読立読斜読] 『文人たちの句境―漱石・龍之介から万太郎まで』(関森勝夫著、中公新書、1991年)春の句(2)



 

腸に春滴るや粥の味 夏目漱石


 

こたへて曰く、方違へ

連翹やかくれ住むとにはあらねども

                                             久保田万太郎

 

天橋立

逝く春を股の中より惜みける 佐藤春夫

 
















 干竿の上に海みる蛙かな 三好達治


腸に春滴るや粥の味 夏目漱石


街角の風を売るなり風車 三好達治


ふるひ寄せて白魚崩れん許(ばか)りなり 夏目漱石


木瓜咲くや漱石拙を守るべく 夏目漱石


桃つぼむ幼稚園まで附きそひし 室生犀星


こたへて曰く、方違へ

連翹やかくれ住むとにはあらねども 久保田万太郎


ある街角の茶房にて

花冷えや目薬をさす夕ごころ 横光利一


据風呂に行春の月縁なり 會津八一


天橋立

逝く春を股の中より惜みける 佐藤春夫