2021年7月8日木曜日

[積読立読斜読] 『少将滋幹の母』(谷崎潤一郎、昭和24年)

 


2021年の年間読書テーマ、谷崎潤一郎の主要作品を読む。

本日「少将滋幹(しげもと)の母」を読みました。阿刀田高さんのガイドブックにあった作品はこれで読了です。


「少将滋幹の母」は、昭和24年11月より翌年の2月まで「毎日新聞」に連載された新聞小説です。阿刀田高さんのガイドブックでは「母を恋うる記」「夢の浮橋」と併せて「母性への憧れ」という谷崎が生涯をかけて追及したモチーフの作品を紹介しています。

創作の時期が分かれており、「母」が初期、「滋幹」が中期、「浮橋」が晩年の作品になります。

「少将滋幹の母」はちょっと変わった構成の小説で、配偶者の強奪の話は『今昔物語』に実際にある挿話だそうで、他に『平中物語』『後撰集』『十訓抄』などからエピソードを選んで構成されているそうです。あまりこの時代の知識がない当方にはちょっと饒舌で、実際の母子の対面にあまり感動しませんでした。


<内容紹介>(新潮文庫版の裏表紙より)

八十歳になろうとする老大納言は、若い妻を甥の左大臣に奪われるが、妻への恋情が断ち切れず、死んでしまう。残された一人息子の胸にも幼くして別れた母の面影がいつも秘められていた。平安期の古典に材をとり、母への永遠の慕情、老人の美女への執着、さらに、肉体の猛執が理性を越えて、人間の愛欲の悩みにおとしいれるという谷崎文学の主要なテーマを描き出した長編。


谷崎の主要作品で、当方の好みは下記の通りです。


①『細雪』

②『春琴抄』

③『蓼食う虫』

④『瘋癲老人日記』

(番外)『陰翳礼賛』