菫程な小さき人に生まれたし
夏目漱石
春の日やボタン一つのかけちがへ
久保田万太郎
菫程な小さき人に生まれたし 夏目漱石
摘草の子は声あげて富士を見る 横光利一
春浅き麒麟の空の飛行雲 三好達治
春寒や編めば汚るゝ白毛絲 久米三汀
紙雛や箪笥の上のまどあかり 永井荷風
雪みちを雛箱(ひなばこ)かつぎははが来る 室尾犀星
雛の日の濯ぎ物母を淋しうす 久米三汀
辻能の剣に映る春日かな 會津八一
春の日やボタン一つのかけちがへ 久保田万太郎
泣いて行くウェルテルに逢ふ朧哉 尾崎紅葉