2021年7月13日火曜日

[積読立読斜読] 『短編回廊』より「扇を持つ娘」

 



絵画から想起された短編小説のアンソロジー。エドワード・ホッパーのみの絵画だった第一弾から続編は古今東西の著名絵画・彫像までが題材に。

本日はゴーギャンの「扇を持つ娘」(1902)からの短編小説。作者はニューヨーク在住の新鋭・ニコラス・クリストファーさん。児童書からノンフィクションの作家であり詩人でもあります。

ゴーギャン自身が波瀾の人生を送った人なので、選んだ絵からどう展開するかはそう難しくはなかったようです。作者が選んだのはミステリー仕立てのゆうに長編にもなりうる構成でした。

モデルとなった少女の晩年。手に持っていた扇は少女からゴーギャンに贈られたもの。ゴーギャンから再度贈られた扇。また扇を持ってモデルになれとの希望を果たせず、再会できぬまま亡くなったゴーギャン。ナチス政権下のフランスでナチスから奪い返された絵画。かろうじて保管されていた倉庫に危機が迫りましたが、連合軍がノルマンディーに上陸してきます。

エドワード・ホッパーからの選択と違って、第二弾は作家の想像力が飛躍するようです。なかなかの傑作。