2021年7月23日金曜日

[積読立読斜読] 『文人たちの句境―漱石・龍之介から万太郎まで』(関森勝夫著、中公新書、1991年)常住座臥 夏の句(2)



終戦

何もかもあつけらかんと西日中

                                                  久保田万太郎

 



















大なまず揚げて夜振りの雨となり 内田百閒

水に入るごとくに蚊帳をくぐりけり 三好達治

銀河天に高張立てし水の番 泉鏡花

水くぐる鵜のいさましさあはれなり 森おうがい

病める子を守りて懶(ものう)し百日紅 佐藤春夫

雲の峰石伐(き)る斧の光かな 泉鏡花

赤き日の海に落込む暑さかな 夏目漱石

暑き日や水薬ぬるむ枕もと 會津八一

鉄条(ぜんまい)に似て蝶の舌暑さかな 芥川龍之介

終戦

何もかもあつけらかんと西日中 久保田万太郎