2021年7月10日土曜日

[積読立読斜読] 『短編回廊』より「ジョージア・オキーフの花のあと」

 


Red Cannas by Georgia O'Keeffe, 1927


芸術作品からインスピレーションを得て書かれた短編集『短編回廊』、本日はジョージア・オキーフの絵が題材の「ジョージア・オキーフの花のあと」(ゲイル・レヴィン著)を読みました。

ゲイル・レヴィンはニューヨーク市立大学の教授。美術史家。

おそらく架空のジョージア・オキーフに対するインタビュー記事。あくまでオキーフをフェミニズムの先駆者とみるインタビューアーと、「私は私」というオキーフの最初から最後までかみ合わない展開が滑稽でした。佳作と思います。

実際にオキーフのこの花の絵は「自然の中にある女性のメタファーを引き出す」(P186)感じがします。

P197
ここでやっとわたしは本題にはいれる。

「さきほども言いましたが、わたしは先生の花の大ファンなのです。なので、これから上梓する拙著の表紙に先生のお花の絵を使わせていたでけないでしょうか?」

「それはどういう本なの?」

「美術市場重要な枠割を果たした女性作家について研究した本です」

「本のタイトルは?」

「タイトルは『偉大なる女流画家の宝庫―ルネサンスから現在まで』です」

オキーフは腹を立てている。それは傍から見ても明らかだ。声を荒らげ、彼女は怒鳴る。「わたちは女流画家じゃありません!」

そう言って、インタヴューが終わったことを身振りで示す。わたしは絶望的な気分になる。オキーフはわたしを睨みながらつけ加える、

 

「あなたはあなたの仕事をしなさい。わたしはわたしの仕事をしますから」