2021年4月28日水曜日

[積読立読斜読] 『名句の所以(ゆえん)』(小澤實著、毎日新聞出版、2018年) 春の部 (9)



投げ出して足遠くある暮春かな 村上鞆彦

 













 蠅生れ早や遁走の翅使ふ 秋元不死男

くすぐつたいぞ円空仏に子猫の手 加藤楸邨

塗畔のぐうつと曲りゐところ 清崎敏郎

塗り終へし畦にうついて飛べるもの 清原枴童

世に出ろとわれに蛙の鳴きたつる 小杉余子

墓掴み洗ひ了りぬ山椒喰 石田あき子

烏賊に触るる指先や春行くこころ 中塚一碧楼

ゆく春やうつろの甕を草の上 長谷川春草

投げ出して足遠くある暮春かな 村上鞆彦